『アスペルガー当事者が語る特別支援教育〜スローランナーのすすめ』第一章

この本について、しばしの間(スローなペースで)語っていきます。
帯の惹句は

教育論であると共に少数派の視点から語られた優れた日本文化論である

本は4章から成り、各章の間に識者との対談を挟む。
第一章は著者の生い立ち。
「座談会01」のお相手はLD学者の上野一彦氏。
氏の言葉をいくつか引用させていただきます。

LDは傘概念

詳しくは『特別支援教育実践ソーシャルスキルマニュアル』の解説頁の「画像で立ち読み」へ。

三角のジャガイモになれ

どういう意味でしょうか?
……まあ、実際に読んでみて下さい。



本文の続き

診断名よりニーズで見ていく

「診断名には囚われない事」については、以前触れました。

LDは "Learning Disability"といいますが、医学では "Learning Disorder"ともいうし、イギリスでは"Learning Difficulty"ともいいます。私がもっとも好きなのは "Learning Differences=学び方が違う"という概念。

単語の違いについては、こちらのページが参考になると思います。
(参考になる。というか、LD者の困難を知り愕然となりました。)


雑感・1

この本の出版記念講演会の情報でこの本を知りました。
(↑なんたる悪文)
講演会のタイトルが『「脱・人間宣言」―妖怪の世界へようこそー』
何と申しますか、えらく潔いというかかっこいいかなと思いました。


雑感・2
「高森」さん。

まず、「こうもり」というペンネームが絶妙の感あります。
今の「スローランナー」な子供達も、「こうもり」なんです。
普通級からも「養護学校」からもはじかれてしまう状況があったりします。
(おいおい語ってゆきます。)


雑感・3
第一章「こうもり」の生い立ち を読んで。
深く肯けたのは、「担任次第」で普通級でも上手くやっていける事があると言うこと。
ウチノコも、担任が替わって不適応を起こしました。
(「校長次第」とも言えるかも知れません。)
気になったのは、「表面的には適応しているかに見え、内面は無理している」状態があること。
どこかの教育委員の話にも出てました。
「一番気がかりなのが、実は苦しんでいる、物言わぬ不適応者たちだ」と。
また、ASは男性が多いというのが定説ですが、確かギルバーグ博士が、表面に出て来づらい女児のASについて触れていたと思います。
アスペルガー症候群がわかる本
































ヒトサマの生い立ちを云々しておいて自分を語らずと言うのは気色悪いので、私を語りますが。


集団生活は、そこそここなしてました。
小学校時代は内弁慶で、学校いかずに家の周辺に潜んでいた事が一度はあった記憶がある。
最も苦痛だったのは、無理矢理給食を食べさせられた事。(古いね。)
中学は並みでしたが、高校は楽しかった。
学生運動華やかなりし頃で(古いね)、「闘争」により授業が「粉砕」されたり「自主ゼミ」で単位がとれたり、自身の「反社会性」をそこで解消することができたと思う。
(今の若者は内なる反社会性とどう折り合いを付けているのだろう?
 誰だって一度は通る道だろうに。
 たまたま見かけた記事。
 若者に反抗のススメ!? 現代社会で尾崎豊やJ・ディーン登場) 
大学は美系だったので変人が多かった。


確かに私はASDだと思いますが、時代や環境に恵まれていたんだなあ、と。